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省力化投資補助金とは|2類型の違いと選び方

公開
2026-08-21
執筆
株式会社visum
読了目安
8分
省力化投資補助金とは|2類型の違いと選び方

この記事でわかること

  • カタログ注文型と一般型の違い
  • 自社がどちらを選ぶべきか
  • 申請前に必要な準備と期間

中小企業省力化投資補助金にはカタログ注文型一般型の2つがあります。どちらを選ぶかで、申請時期も対象も補助額も変わります

カタログに載っている汎用製品を導入するならカタログ注文型。個別の現場に合わせた設備やシステムなら一般型です。

この記事では中小企業庁と事務局の公式情報をもとに、2類型の違いと選び方、申請前に必要な準備を整理します。

本記事は2026年8月時点の公募要領および事務局の告知に基づきます。制度は改定されるため、申請前に公式サイトをご確認ください。

まず確認する4項目

自社がどちらの類型に当てはまるかで、進め方がすべて変わります。

# 確認項目 見るべきところ
1 導入したい製品はカタログに載っているか 載っていればカタログ注文型が使える
2 個別の設備やシステム構築が必要か 必要なら一般型
3 GビズIDプライムを取得済みか 未取得なら最優先で着手
4 交付決定前に発注していないか 発注済みだと対象外

1で判断がつかない場合は、製品カタログを先に確認してください。カタログに掲載がなければ、カタログ注文型は使えません。

なお、両方の類型に同時に申請することはできません。どちらか一方を選ぶ必要があります。

2つの類型の違い

カタログ注文型は汎用製品、一般型は個別の設備が対象です。

項目 カタログ注文型 一般型
対象 カタログに登録された汎用製品(IoT、ロボット等) 個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築
申請時期 随時(2027年3月末頃まで) 公募回制
補助率 1/2以下 中小企業1/2(2/3)
小規模事業者・再生事業者2/3
補助上限額 500万〜1,000万円 750万〜8,000万円
特徴 販売事業者と共同で申請。手続きが簡易 ハード・ソフトを自由に組み合わせ可能

カタログ注文型の補助上限額

2026年3月19日の制度改定で、従業員20人以下の上限額が引き上げられました。

従業員数 改定前 改定後(2026年3月19日〜)
5人以下 200万円(300万円) 500万円(750万円)
6〜20人以下 500万円(750万円) 750万円(1,000万円)
21人以上 1,000万円(1,500万円) 1,000万円(1,500万円)

括弧内は大幅な賃上げを行う場合の上限額です。補助率は1/2以下。上限額は交付申請時点の従業員数で決まります。

申請の直前に従業員数が変動すると適用される区分が変わる点に注意してください。なお、主に補助を受ける目的で資本金や従業員数を変更した場合は、補助の対象外になることがあります。

一般型の補助上限額

従業員数 補助上限額
5人以下 750万円(1,000万円)
6〜20人 1,500万円(2,000万円)
21〜50人 3,000万円(4,000万円)
51〜100人 5,000万円(6,500万円)
101人以上 8,000万円(1億円

補助率は中小企業が1/2(大幅な賃上げを行う場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者は2/3です。

補助対象者には特定非営利活動法人と社会福祉法人も含まれます。 一般の中小企業だけが対象の制度ではありません。福祉施設の記録業務や送迎管理を効率化する設備も、要件を満たせば検討対象になります。

なお再生事業者については、基本要件が未達だった場合の返還要件が免除されます。定義は公募要領で確認してください。

一般型は公募回ごとに締切がある

第7回は2026年7月31日に締め切られました。第8回のスケジュールは以下の通りです。

項目 第8回公募
公募開始日 2026年8月18日(火)
申請受付開始 2026年9月中旬(予定)
公募締切 2026年10月中旬(予定)

第7回は公募開始から締切まで約2か月でした。設備の選定、見積の取得、事業計画の作成をこの期間に全部行うのは現実的ではありません。 公募開始前にどこまで決めておけるかで結果が変わります。

一般型の審査では、省力化指数、付加価値増加率、投資効率(事業計画の効率性)、オーダーメイド性が見られます。「どの工程が、どれだけ楽になるのか」を数字で示せる状態にしておく必要があります。

現状の作業時間を計測していない場合、まずそこから着手してください。計測データがないと、省力化効果を書けません。

制度改定で変わった点(カタログ注文型)

2026年3月19日の改定は上限額だけではありません。

変更点 これまで 改定後
申請受付期間 2026年9月末頃まで 2027年3月末頃まで
「大幅な賃上げ」の定義 事業場内最低賃金を45円以上増加 3.0%以上増加
収益納付 あり 撤廃

改定前の条件が適用されるのは、2026年3月16日17:00までに提出され、不備なく受理された申請に限られます。

2回目以降の申請条件も変わりました。 各申請時に定まる補助上限額を2倍にした額が、1事業者あたりの累計補助上限額になります。そこから前回までの累計交付額を差し引いた額まで申請できます。

たとえば従業員10人で賃上げ特例なしの場合、1回あたりの補助上限額は750万円、累計補助上限額は1,500万円です。

ただし2回目以降には追加要件があります。前回の補助事業で省力化効果が得られていることを報告し、前回の交付申請時と比較して事業場内最低賃金を3.5%以上上昇させている必要があります。前回から2年以上経過している場合は7.0%以上、3年以上なら10.5%以上です。

申請前に必要な準備

GビズIDプライムアカウントの取得から始めてください。

公式は「ID取得には一定の期間を要します」と案内しています。締切間際に気づいても間に合いません。

flowchart TD
    A[省力化投資を検討] --> B{導入したい製品が<br/>カタログにあるか}
    B -->|ある| C[カタログ注文型]
    B -->|ない・個別対応が必要| D[一般型]
    C --> E[販売事業者に相談]
    D --> F[公募回のスケジュールを確認]
    E --> G[GビズIDプライムを取得]
    F --> G
    G --> H[事業計画の策定]
    H --> I[交付申請]
    I --> J[交付決定]
    J --> K[★ここまで発注しない]

満たす必要がある要件

カタログ注文型では、労働生産性を年平均成長率3.0%以上向上させる事業計画が求められます。補助事業終了後3年間、毎年取り組む必要があります。

労働生産性は次の式で定義されています。

  • 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
  • 労働生産性 = 付加価値額 ÷ 従業員数

補助上限額の引き上げを受ける場合は、事業場内最低賃金を3.0%以上、給与支給総額を6%以上増加させる計画が必要です。申請時に賃金引き上げ計画を従業員へ表明していることも条件になります。

この「3.0%」は、日本銀行が定める物価安定の目標2%に1.0%を加えた数字として設定されています。

正当な理由なく賃上げ目標を達成できなかった場合、補助額が減額されます。

交付決定前に発注すると対象外になる

公式の補助対象外経費に「交付決定前に購入した省力化製品」「交付決定前に発生した費用」と明記されています。

導入スケジュールは交付決定日から逆算して組んでください。販売事業者やベンダーとの商談が進んでいる段階ほど、口頭で発注が確定してしまいやすい箇所です。

「見積を取る」までは問題ありませんが、「発注する」と対象外になります。この線引きを社内で共有しておいてください。

補助対象外になる費用

見落としやすい項目を挙げます。

区分 対象外になるもの
製品本体 中古品/対外的に無償提供されているもの/消費税
導入経費 委託・外注費/移動交通費・宿泊費/試運転の原材料費・光熱費
その他 補助金の申請・報告に係る申請代行費

申請代行費が補助対象外である点は、外部に依頼を検討している場合に影響します。代行費用は自社負担になります。

導入経費についても、対象になるのは設置作業や運搬費、動作確認、マスタ設定といった製品を動かすまでの費用です。既存データの作成や投入費用、通常業務の代行作業費は対象になりません。

カタログ注文型には使い方の幅を広げる仕組みがある

見落とされやすい3点を挙げます。

  • ファイナンス・リース取引を利用して省力化製品を導入できる
  • 2回目以降の交付申請が可能(前回の補助金の支払い完了後)
  • 既に所有する製品と同一カテゴリの製品への置き換え申請ができる

一括購入の資金が用意できない場合でも、リースという選択肢があります。

AI・ソフトウェアの導入を考えている場合

AIツールが目的なら、別の制度のほうが筋が通ります。

公式の事業目的は次のように書かれています。「IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した設備を導入するための事業費等の経費の一部を補助」。設備投資が主眼の制度です。

カタログ注文型でも「専用ソフトウェア・情報システム」は製品本体価格に含まれますが、カタログへの登録が前提になります。

一方、AIを含むITツールの導入はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)が対象と中小企業庁に明記されています。ソフトウェア中心の導入なら、まずこちらを検討してください。制度横断の比較はAI導入に使える補助金で扱っています。

flowchart TD
    A[導入したいもの] --> B{ソフトウェアが中心か<br/>設備が中心か}
    B -->|AIを含むITツール<br/>ソフトウェア| C[デジタル化・AI導入補助金]
    B -->|IoT・ロボット等の設備| D{カタログに<br/>あるか}
    D -->|ある| E[省力化投資補助金<br/>カタログ注文型]
    D -->|ない| F[省力化投資補助金<br/>一般型]

ただし一般型はハード・ソフトを自由に組み合わせて事業全体を一体的に支援できる点が特徴です。設備とシステムをまとめて導入する計画なら、一般型が合う場合もあります。

当社も中小企業として、こうした制度の切り分けは導入検討の前提にしています。


参考

以下はすべて2026年8月21日に確認しました。制度は改定される場合があります。

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株式会社visumは、自社の就労継続支援B型事業所ウェリットで実際にAIを運用しています。記事で触れた進め方が御社の業務に当てはまるかを、現状の作業内容をうかがったうえでお答えします。

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