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省力化投資補助金カタログの見方と製品の選び方

公開
2026-08-21
執筆
株式会社visum
読了目安
6分
省力化投資補助金カタログの見方と製品の選び方

この記事でわかること

  • カタログの探し方と絞り込み方
  • 欲しい製品が載っていない場合
  • 申請前に確認すべき事項

省力化投資補助金のカタログ注文型は、あらかじめ登録された製品の中から選ぶ仕組みです。カタログに載っていない製品は対象になりません

そのため最初にやることは、導入したい製品がカタログにあるかどうかの確認です。載っていなければ、一般型など別の選択肢を検討することになります。

この記事では事務局の公式情報をもとに、カタログの見方、掲載がない場合の進め方、申請前に確認すべき事項を整理します。

本記事は2026年8月時点の公募要領および事務局の告知に基づきます。カタログは随時更新されるため、申請前に公式サイトをご確認ください。

まず確認する3項目

カタログへの掲載の有無で、進む道が分かれます。

# 確認項目 確認先
1 導入したい製品がカタログにあるか 事務局の製品カタログページ
2 自社の従業員数はいくつか 補助上限額が変わる
3 GビズIDプライムを取得済みか 未取得なら最優先で着手

1で見つからない場合でも、同じ役割を果たす別製品が登録されている可能性があります。 製品名ではなくカテゴリで探してください。

カタログの探し方

事務局サイトの製品カタログページから検索します。

カタログはカテゴリごとに整理されており、各製品について以下が記載されています。

  • 対象となる業種
  • 対象となる業務プロセス
  • 省力化効果
  • 活用のポイント
  • 業務プロセスがどう改善されるかのフローチャート

中小企業庁は、このカタログ自体が「わかりやすい省力化の手引き」になっていると説明しています。補助金を申請するかどうかに関わらず、省力化を検討する際の参考資料として使えます。

自社の課題が明確でない段階でも、カタログを眺めることで「同じ業種の会社がどこを自動化しているか」が見えてきます。製品を探す前に、カテゴリ一覧を通しで見ることをおすすめします。

掲載製品は増え続けている

カタログの登録製品は随時追加されています。以前調べたときに無かった製品が、現在は登録されている可能性があります。

過去に確認して諦めた場合も、改めて見直す価値があります。事務局は製品カタログの更新状況を専用ページで公開しているので、そこを見れば直近で何が追加されたかが分かります。

イノベーション製品応援プログラム

中小・小規模企業やベンチャー企業が製造する製品には、専用の登録ルートがあります。 一般型での審査を経ることで、より簡易にカタログ登録を進められる仕組みです。

導入したい製品のメーカーが中小企業の場合、メーカー側にこの制度を伝えてみるという選択肢もあります。ただし登録には時間がかかるため、自社の導入スケジュールに間に合うかは別途確認が必要です。

申請は販売事業者を通じて行う

カタログ注文型は、販売事業者と共同で申請する仕組みです。自社単独では申請できません。

製品を選んだら、その製品を扱う販売事業者に連絡することになります。申請は販売事業者から招待された専用フォームから行います。

つまり販売事業者の協力が得られないと申請自体ができません。 カタログに製品が載っていても、扱っている販売事業者が近隣にいないケースはあります。製品を確定する前に、販売事業者の対応可否を確認してください。

欲しい製品が載っていない場合

カタログに掲載がなければ、この類型は使えません。

その場合の選択肢は主に2つです。

flowchart TD
    A[導入したい製品がある] --> B{カタログに<br/>あるか}
    B -->|ある| C[カタログ注文型で申請]
    B -->|ない| D{個別の設備や<br/>システム構築が必要か}
    D -->|必要| E[省力化投資補助金 一般型]
    D -->|ソフトウェア中心| F[デジタル化・AI導入補助金]
    E --> G[公募回のスケジュールを確認]
    F --> H[IT導入支援事業者に相談]

一般型は、個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築が対象です。ハードとソフトを自由に組み合わせられ、補助上限額も大きくなります。ただし公募回制で、締切が決まっています。

デジタル化・AI導入補助金は、AIを含むITツールやソフトウェアが対象です。設備ではなくソフトウェア中心の導入ならこちらが筋になります。

どちらも、カタログ注文型より事業計画の作り込みが必要になります。手続きの簡易さを取るならカタログ注文型、自由度を取るなら一般型という整理になります。

一般型は補助上限額も大きく、従業員101人以上なら最大8,000万円(大幅な賃上げを行う場合は1億円)です。投資規模が大きい場合は、カタログに製品があっても一般型を検討する余地があります。

補助額と、対象にならない費用

補助率は1/2以下、上限額は従業員数で決まります。

従業員数 補助上限額
5人以下 500万円(750万円)
6〜20人以下 750万円(1,000万円)
21人以上 1,000万円(1,500万円)

括弧内は大幅な賃上げを行う場合です。この金額は2026年3月19日の制度改定後のもので、従業員20人以下の上限額が引き上げられました。従業員5人以下では200万円から500万円に、6〜20人では500万円から750万円になっています。

上限額は交付申請時点の従業員数で決まります。申請の直前に従業員数が変動すると、適用される区分が変わる点に注意してください。

補助上限額を引き上げる賃上げ要件は、事業場内最低賃金を3.0%以上、給与支給総額を6%以上増加させることです。申請時に賃金引き上げ計画を従業員へ表明していることも条件になります。正当な理由なく未達だった場合は補助額が減額されます。

なお、制度改定にあわせて申請受付期間も2027年3月末頃まで延長され、収益納付は撤廃されました。

申請時に人手不足の状態にあること、全従業員の賃金が最低賃金を超えていること、他の補助金と重複しないことなど、複数の要件を満たす必要があります。これらは交付申請を行った日に満たしている必要があります。

また、労働生産性を年平均成長率3.0%以上向上させる事業計画の策定も求められます。補助事業終了後3年間、毎年取り組むことになります。

補助対象になる費用

区分 内容
製品本体価格 機械装置、工具・器具、専用ソフトウェア・情報システムの購入経費
導入経費 設置作業、運搬費、動作確認、マスタ設定等の導入設定費用

補助対象にならない費用

区分 対象外になるもの
製品本体 中古品/対外的に無償提供されているもの/消費税
導入経費 委託・外注費/移動交通費・宿泊費/試運転の原材料費・光熱費
データ関連 製品導入と関連のないデータ作成費用・データ投入費用
その他 補助金の申請・報告に係る申請代行費

申請代行費が対象外である点は、外部への依頼を検討している場合に影響します。代行費用は自社負担になります。

データ関連の扱いも見落とされやすい箇所です。製品の設置やマスタ設定は対象ですが、既存データの作成や投入は対象外です。過去の紙の記録をシステムに入力する作業を外注する場合、その費用は自社負担になります。

交付決定前の発注は対象外

公式の対象外経費に「交付決定前に購入した省力化製品」「交付決定前に発生した費用」と明記されています。

販売事業者との話が進むほど、発注のタイミングが曖昧になりやすい箇所です。見積の取得までは問題ありませんが、発注すると対象外になります。

知っておくと選択肢が増える3つの制度

カタログ注文型には、使い方の幅を広げる仕組みがあります。

ファイナンス・リース取引を利用して省力化製品を導入できます。一括購入の資金が用意できない場合の選択肢になります。

2回目以降の交付申請が可能です。前回の補助金の支払いが完了した後であれば、改めて申請できます。累計補助上限額は各申請時に定まる上限額の2倍まで。ただし前回の補助事業で省力化効果が得られていることの報告と、事業場内最低賃金を3.5%以上上昇させていることが要件になります。

製品の置き換えも申請できます。既に所有している製品と同一カテゴリの製品へ切り替える場合です。老朽化した設備の更新にあたって、単なる買い替えではなく省力化の観点で見直す機会になります。

ただしいずれの仕組みも、事業計画の要件を満たすことが前提です。制度の使い方の幅が広がるだけで、審査が緩くなるわけではありません。

当社も中小企業として、こうした制度要件の確認は導入検討の前提にしています。


参考

以下はすべて2026年8月21日に確認しました。制度は改定される場合があります。

  • 中小企業省力化投資補助金 事務局「カタログ注文型とは」
  • 同「2026年3月19日制度改定」
  • 同「トップページ(カタログ注文型)」
  • 中小企業庁「中小企業庁担当者に聞く『中小企業省力化投資補助金[カタログ注文型]』」

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