IT導入補助金2026|対象・補助額・締切の解説
- 公開
- 2026-08-21
- 執筆
- 株式会社visum
- 読了目安
- 7分
この記事でわかること
- 申請枠5種の補助率と補助額
- 締切と交付決定までの期間
- 申請前に必要な準備の順番
IT導入補助金は、中小企業がITツールを導入する費用を補助する国の制度です。申請枠は5つあり、通常枠なら最大450万円が補助されます。
直近の確定締切は2026年8月25日(火)17:00。全枠共通です。
この記事では公式情報をもとに、枠ごとの補助率と補助額、締切、申請前の準備を整理します。
本制度は令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されています。 本記事では検索されている名称に合わせて併記しますが、申請手続きはすべて新名称で行われます。
本記事は2026年8月時点の公募要領(更新日2026年5月15日)に基づきます。
まず確認する4項目
申請枠によって補助率も上限額も変わります。 先に自社の状況を整理してください。
| # | 確認項目 | 見るべきところ |
|---|---|---|
| 1 | 自社は中小企業・小規模事業者に該当するか | 業種ごとの資本金・従業員数の定義 |
| 2 | 導入したいのはどの申請枠に当たるか | 次の章の比較表 |
| 3 | GビズIDプライムを取得済みか | 未取得なら最優先で着手 |
| 4 | 交付決定前に発注していないか | 発注済みだと対象外 |
3と4は、気づくのが遅れると取り返しがつきません。先に確認してください。
申請枠は5つある
通常枠が最も汎用的で、ソフトウェア全般が対象になります。
| 枠 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内、2/3以内※1 | 1プロセス以上:5万〜150万円未満 4プロセス以上:150万〜450万円 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内) 50万円超の部分は2/3以内 |
〜350万円 PC・タブレット等:10万円以下(1/2) レジ・券売機等:20万円以下(1/2) |
| インボイス枠(電子取引類型) | 2/3以内 その他の事業者等は1/2以内 |
〜350万円 |
| セキュリティ対策推進枠 | 小規模事業者2/3以内 中小企業1/2以内 |
5万〜150万円 |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 50万円以下は3/4以内(小規模4/5以内) 50万円超は2/3以内 |
基盤導入経費等の合計3,000万円が上限 |
※1 通常枠の補助率が2/3以内になる条件は次の通りです。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員がいること。かつ、その人数が全従業員の30%以上であることを示した場合です。
通常枠は業務プロセスの数で補助額が変わる
通常枠では、申請するソフトウェアが保有する業務プロセスの数によって補助額の区分が変わります。
| プロセス数 | 補助額 |
|---|---|
| 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
| 4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 |
業務プロセスは以下のいずれかに該当する必要があります。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務
- その他業種固有のプロセス
汎用・自動化・分析ツールは「汎用プロセス」に分類され、単体では申請できません。 この点は後述します。
インボイス枠は補助率が高い
インボイス枠(インボイス対応類型)は、通常枠より補助率が高く設定されています。
補助額50万円以下の部分は中小企業で3/4以内、小規模事業者は4/5以内。50万円を超える部分は2/3以内です。
ただし機能要件があります。50万円以下の申請では「会計」「受発注」「決済」のうち1機能以上、50万円を超える申請では2機能以上を有するソフトウェアである必要があります。
セキュリティ対策推進枠は対象サービスが限定される
この枠は、IPA(情報処理推進機構)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービスのうち、事務局に登録されたものが対象です。サービス利用料は最大2年分が補助されます。
自社で自由にセキュリティ製品を選べる枠ではない点に注意してください。
複数者連携枠は単独では使えない
サプライチェーンや商業集積地の複数事業者が連携してITツールを導入する場合の枠です。通常枠より補助率が引き上げられ、連携のコーディネート費や外部専門家への謝金も対象に含まれます。
基盤導入経費と消費動向分析経費の合計は3,000万円が上限です。1社単独では申請できません。
補助対象になる費用とならない費用
ソフトウェアの購入費とクラウド利用料が中心です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| ソフトウェア(必須) | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分) |
| オプション | 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ |
| 役務 | 導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート |
導入時のコンサルティング費や研修費も対象に含まれる点は、見落とされやすいところです。ツールを買うだけでなく、使えるようにするまでの費用が見られている制度だと理解しておくと、申請内容を組み立てやすくなります。
クラウド利用料が最大2年分まで対象になる点も重要です。初期費用が小さいクラウドサービスでも、2年分をまとめれば補助額が積み上がります。
ハードウェアだけでは申請できない
インボイス枠ではPC・タブレット・レジ等も対象になります。ただしソフトウェアの使用に資するものであることが条件で、公式に「ハードウェアのみの申請は不可」と明記されています。
「古いPCを買い替えたい」という動機だけでは要件を満たしません。
交付決定前の発注は対象外
最も多い失敗がこれです。 交付決定を受ける前に発注・契約した費用は補助対象になりません。
導入スケジュールは交付決定日から逆算して組んでください。4次締切で申請した場合、交付決定日は2026年10月7日(予定)です。それ以前に契約を結ぶと、その費用は補助の対象から外れます。
ベンダーとの商談が進んでいる場合ほど、この点は注意が必要です。
締切と交付決定までのスケジュール
直近の確定締切は2026年8月25日(火)17:00です。 全5枠で共通しています。
| 項目 | 4次締切分 |
|---|---|
| 締切日 | 2026年8月25日(火)17:00 |
| 交付決定日 | 2026年10月7日(水)(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定〜2027年3月31日(水)17:00(予定) |
| 事業実績報告期限 | 2027年3月31日(水)17:00(予定) |
交付申請の受付は2026年3月30日(月)10:00から始まっています。
5次以降のスケジュールは未公表
事務局は「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」と注記しています。5次・6次の締切日は現時点で公表されていません。
次回に向けて準備する場合は、事務局サイトを定期的に確認してください。過去の傾向から次回を推測している解説記事もありますが、日程は公表されるまで確定しません。
なお、締切ごとの間隔は一定ではありません。前回の間隔をあてにして準備を始めると、間に合わない可能性があります。
GビズIDの取得に時間がかかる
交付申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。公式は「ID取得には一定の期間を要します」と案内しています。
締切直前に気づいても間に合いません。申請を検討し始めた時点で、最初に着手してください。
締切当日17:00の意味
公式が明確に警告している点があります。
締切日当日の17:00をもって申請できなくなること。締切直前は申請マイページへのアクセスが集中し、画面遷移やSMS認証に通常より時間がかかること。そして締切時刻を過ぎた場合はいかなる理由であっても受付されないこと。
余裕を持った提出が前提の制度です。
AIツールを導入したい場合
AIを含むITツールも対象ですが、条件があります。
中小企業庁は本制度の対象を「デジタル化やDX等に向けたAIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援」と記載しています。制度名に「AI」が入った通り、AI活用が想定された制度です。
ただし通常枠には要件があります。前述の通り、申請するソフトウェアは1種類以上の業務プロセスを保有する必要があり、汎用プロセスのみでは申請できません。
flowchart TD
A[導入したいAIツール] --> B{業務プロセスに<br/>紐づいているか}
B -->|会計・在庫・人事など<br/>特定業務に組み込まれている| C[通常枠の要件を満たしうる]
B -->|汎用の分析・自動化ツール単体| D[単体では申請できない]
C --> E{事務局にITツールとして<br/>登録されているか}
E -->|登録あり| F[申請の候補になる]
E -->|登録なし| G[IT導入支援事業者に確認]
つまり、汎用のチャットAIや分析ツールを単体で導入するだけでは要件を満たしません。 会計や在庫管理といった業務プロセスに組み込まれた形である必要があります。
なお、個別の製品が対象になるかは事務局へのITツール登録の有無で決まります。導入したい製品がある場合は、事務局のITツール検索で確認するか、IT導入支援事業者に問い合わせてください。制度の選び方はAI導入に使える補助金、設備が中心なら省力化投資補助金をご覧ください。
当社も中小企業として、こうした制度要件の確認は導入検討の前提にしています。
参考
以下はすべて2026年8月21日に確認しました。制度は改定される場合があります。
- 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました」(2026年3月10日)
- デジタル化・AI導入補助金2026 事務局「事業スケジュール」
- 同「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」(公募要領 更新日2026年5月15日)
- 同「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」(同上)
- 同「複数者連携デジタル化・AI導入枠」(同上)
- 同「デジタル化・AI導入補助金制度概要」
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