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生成AIとは|種類・できること・注意点をまとめて解説

公開
2026-09-01
執筆
株式会社visum
読了目安
6分
生成AIとは|種類・できること・注意点をまとめて解説

この記事でわかること

  • 従来のAIとの違いと種類
  • 業務でできることと使い始める手順
  • 知っておくべき3つの注意点

生成AIとは、学習したデータをもとに文章・画像・音声・動画などの新しいコンテンツを作り出すAIです。ジェネレーティブAIとも呼ばれます。

従来のAIが「判断する」ものだったのに対し、生成AIは「作る」ことができる点が違います。この違いが、業務での使い方を大きく変えました。

この記事では、中小企業の業務でどう関わるかを軸に、種類・できること・注意点までを整理します。

従来のAIとの違い

役割が「判断」から「生成」に変わりました。

従来のAI 生成AI
主な役割 識別・分類・予測 生成・創造
出力 学習データの中から最適な答えを選ぶ 新しいコンテンツを作る
用途 特定のタスクに特化 汎用的
迷惑メールの振り分け、画像の判別、需要予測 文章作成、要約、画像生成

従来のAIは「この画像は猫か犬か」「来月の売上はいくらか」といった判断や予測を行います。あらかじめ用途を決めて作るものでした。

生成AIは1つのモデルで、指示を変えるだけで多様な作業に対応できます。この汎用性が、業務での使い勝手を大きく変えました。

Microsoftの解説では、従来のAIを「特化型AI」、生成AIを「クリエイティブAI」と表現しています。

なぜ急に広まったのか

専門知識がなくても使えるようになったためです。

従来のAIを業務に取り入れるには、システムの開発や専門人材が必要でした。生成AIは、普段使っている言葉で指示するだけで動きます。

このため、情報システム部門を持たない中小企業でも、担当者が自分で試せるようになりました。導入の障壁が大きく下がったことが、普及の背景にあります。

生成AI・LLM・ChatGPTの関係

混同されやすい3つの言葉です。階層が違います。

用語 何を指すか
生成AI 文章・画像・音声などを生成する技術の総称
LLM 生成AIのうち、言葉に特化したモデル
ChatGPT LLMを使って作られたサービスの名前

生成AIが最も広い概念で、LLMはその中の言語特化の技術、ChatGPTはそれを使った製品です。ClaudeやGeminiも同じくLLMを使ったサービスになります。

LLMの仕組みと限界については、LLMとは|仕組みから分かる4つの限界で詳しく扱っています。

生成AIの種類

作れるものの種類で分かれます。

種類 作れるもの 業務での例
テキスト生成 文章、要約、翻訳、コード メール下書き、議事録、企画書
画像生成 イラスト、写真風の画像 資料の挿絵、広告素材の案
音声生成 読み上げ音声、音楽 動画のナレーション
動画生成 短い動画 商品紹介の素材

中小企業の業務で最も使われているのはテキスト生成です。文書作成の量が多く、効果が分かりやすいためです。

なお、1つのサービスがすべての種類に対応しているとは限りません。たとえば文章に強いサービスが画像生成に対応していない、ということがあります。

仕組みを一言でいうと

生成AIは、膨大なデータからパターンを学習しています。

文章の場合、「この文脈なら次にこの単語が来やすい」という確率を学習しています。質問を受けると、確率の高い言葉を選びながら文章を組み立てます。

意味を理解して答えているのではなく、確率の高い並びを作っている。 ここを押さえておくと、後述する注意点の理由が分かります。

業務で何ができるか

言葉を扱う作業の大半が対象になります。

中小企業でよく使われる用途を挙げます。

分類 具体例 効果が出やすいか
要約 長い資料、議事録、メールの要点抽出
変換 翻訳、文体の変更、箇条書きへの整形
生成 メール下書き、企画書、商品説明文
分類・抽出 問い合わせの仕分け、書類からの情報抽出
質疑応答 資料を渡したうえでの質問対応

「要約」と「変換」から始めると失敗しにくくなります。 元になる情報が手元にあり、正解の形がはっきりしているためです。

逆に「ゼロから企画を出す」といった用途は、何を正解とするかが曖昧なため、期待とズレやすくなります。

具体的な業務の例

事務作業が多い中小企業で、実際に使われている場面です。

  • 会議の録音から議事録を作る(決定事項とタスクの抽出)
  • 問い合わせメールの返信を下書きする
  • 社内マニュアルの内容を検索する
  • 長い公募要領や契約書の要点を掴む
  • 求人票や商品説明文の文案を複数作る

いずれも「読む・書く」に時間を取られている業務です。自社でどの業務に時間がかかっているかを把握することが、最初の一歩になります。

社内の情報は答えられない

重要な制約です。

生成AIが答えられるのは、学習したデータの範囲に限られます。自社の規程、製品仕様、顧客情報は学習データに含まれていません。

「うちの就業規則を教えて」と聞いても、一般的な就業規則の話が返ってくるだけです。

社内文書を扱わせたい場合は、資料をアップロードするか、RAGという仕組みで外部の情報を検索させる方法があります。

使い始める手順

1つの業務に絞って試してください。

いきなり全社に展開すると、たいてい使われません。以下の順序が現実的です。

  1. 時間がかかっている業務を1つ選ぶ(毎週発生し、形式が決まっているもの)
  2. 入力する情報を確認する(個人情報や機密情報を含むか)
  3. 契約プランを決める(含むなら法人向けを検討)
  4. 無料版で1〜2週間試す
  5. 効果が確認できたら、社内ルールを文書化して広げる

2を飛ばさないでください。 入力してよい情報の範囲が決まっていないと、後から問題になります。

費用の目安

無料で試せます。 主要なサービスは無料プランを用意しており、まず使ってみることができます。

有料の個人向けプランは月額数千円程度から。法人向けはユーザー単位の課金が一般的です。

AIツールの導入は、要件を満たせば補助金の対象になる場合があります。詳しくはAI導入に使える補助金で扱っています。

ツールの選び方

サービスは複数ありますが、比較表を眺めても決まりません。 用途と、入力する情報の性質を先に決めるほうが早道です。

具体的な選び方は生成AI比較で決められない理由と選ぶ順序で扱っています。

使う前に知っておく注意点

3つのリスクがあります。いずれも仕組みから生じるものです。

1. 事実と違うことを書く

確率の高い言葉を並べる仕組みのため、もっともらしいが事実と異なる文章が生成されることがあります。ハルシネーションと呼ばれます。

これは不具合ではなく、仕組みから生じる性質です。しかも自然な文体で出てくるため、気づきにくいという問題があります。

業務で使う場合、出力の確認は前提です。 数値や固有名詞は特に注意してください。

2. 入力した情報の扱い

個人向けプランでは、入力内容がモデルの改善に使われることがあります。設定でオフにできますが、既定でオフとは限りません。

個人情報保護委員会は、生成AIに個人情報を含むプロンプトを入力する場合、特定された利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう求めています。

顧客名簿や履歴書を貼り付ける前に、それが利用目的の範囲内かを確認してください。情報の扱いについてはChatGPTの情報漏洩対策で詳しく扱っています。

3. 生成物の著作権

生成したものが、既存の著作物の権利を侵害する可能性があります。

文化庁の資料によれば、著作権侵害は類似性と依拠性の両方で判断されます。作風が似ているだけでは侵害になりません。

ただし生成AIには特有の問題があります。利用者が元の作品を知らなくても、侵害になることがあるという点です。学習データを経由して類似物が生成されるためです。

社外に公開する生成物については、既存の著作物と類似していないかの確認が必要になります。詳細は生成AIと著作権をご覧ください。

社内ルールを決める

3つのリスクは、いずれも使う前にルールを決めておけば大きく減らせます。

最低限、以下を決めてください。

  • 入力してよい情報と、してはいけない情報(プロンプトの書き方でも扱っています)
  • 出力を確認する担当と手順
  • 社外に公開する場合の確認方法

総務省と経済産業省は「AI事業者ガイドライン」を公表しており、小規模事業者向けの手引きも用意されています。

当社もAI導入支援を行う事業者として、社内ルールの整備は導入検討の前提にしています。


参考

以下はすべて2026年9月1日に確認しました。