ものづくり補助金2026|統合後の3枠と申請要件
- 公開
- 2026-09-01
- 執筆
- 株式会社visum
- 読了目安
- 5分
この記事でわかること
- 統合後の3枠と補助上限額
- 必須の賃上げ要件と返還義務
- 事業計画は自社で作る必要がある
ものづくり補助金は、中小企業新事業進出補助金と統合されました。現在の名称は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。第1回公募要領は2026年6月29日に公開されています。
3つの枠があり、補助上限は最大9,000万円。ただし賃上げが必須要件で、未達の場合は返還義務があります。
この記事では中小企業庁の公開情報をもとに、枠ごとの違いと申請要件、注意すべき点を整理します。
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づきます。日程については後述の理由により、必ず公募要領でご確認ください。
まず確認する4項目
申請を検討する前に、対象になるかを確認してください。
| # | 確認項目 | 該当したら |
|---|---|---|
| 1 | 従業員が0名ではないか | 0名は対象外 |
| 2 | 賃上げの計画を立てられるか | 年平均3.5%以上が必須 |
| 3 | GビズIDプライムを取得済みか | 未取得なら最優先で着手 |
| 4 | 事業計画を自社で作成できるか | 作成代行は不可 |
1と4は、該当すると申請そのものができません。順番を間違えないでください。
統合で何が変わったか
2つの補助金が1つになりました。
従来の「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合され、新しい制度になっています。旧ものづくり補助金は第23次締切(2026年5月8日)で受付を終了しました。
現在は3つの枠に分かれています。
| 項目 | 革新的新製品・サービス枠 | 新事業進出枠 | グローバル枠 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 革新的な新製品・新サービス開発 | 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出 | 海外市場開拓に向けた国内体制強化 |
| 補助上限額 | 最大3,500万円 | 最大9,000万円 | 最大9,000万円 |
| 補助率 | 中小1/2(条件により2/3) 小規模2/3 |
中小1/2(条件により2/3) | 中小2/3 |
| 実施期間 | 交付決定日から10か月以内 | 14か月以内 | 14か月以内 |
上限額はいずれも従業員規模に応じて750万円からの設定です。
補助率が最も有利なのはグローバル枠で、中小企業でも2/3です。
設備を入れるだけでは通らない
革新的新製品・サービス枠について、中小企業庁は設備導入のみは不可と明記しています。
「新しい機械を買いたい」という動機だけでは要件を満たしません。その設備で何を開発するのか、顧客にどんな新しい価値を提供するのかを示す必要があります。
補助対象になる経費
3枠に共通するのは以下です。
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費、知的財産関連費
- 外注費・専門家費
- クラウド利用費
- 原材料費
- 広告宣伝・販売促進費
建物費は新事業進出枠とグローバル枠のみが対象です。海外旅費・翻訳費はグローバル枠だけが対象になります。
賃上げが必須要件
ここが最も重要です。
3〜5年の事業計画を作成し、以下をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 付加価値額 | 年平均成長率 4.0%以上 |
| 賃上げ | 年平均 3.5%以上 |
| 最低賃金 | 地域最低賃金 +30円以上 |
| ワークライフバランス | 一般事業主行動計画の公表 |
加えて、子育て・職場環境整備への取組も求められます。
賃上げと最低賃金の要件は、未達の場合に返還義務があります。 補助金を受け取った後も、計画の達成状況が問われ続けます。
特例を使うと条件が良くなる
さらに高い水準の賃上げを行う場合、条件が優遇されます。
| 特例 | 条件 | 効果 |
|---|---|---|
| 賃上げ特例 | 給与 年平均+6.0%以上/最低賃金+50円以上 | 上限額の引上げ |
| 最低賃金引上げ特例 | 最低賃金近傍労働者が一定割合以上 | 補助率の引上げ |
ただし賃上げ特例が未達の場合、上乗せ分を返還することになります。実現可能な計画を立ててください。
対象外になる事業者
以下は申請できません。
- 従業員0名の事業者
- 創業1年未満の事業者(新事業進出枠)
- みなし大企業
- 過去に補助金の不正受給・未返還がある事業者
- 政治・宗教法人等
1人法人や、設立間もない企業は該当する可能性があります。最初に確認してください。
事業計画を代行してもらうことはできない
見落とされやすく、影響の大きい注意事項です。
中小企業庁は次のように記載しています。検討やブラッシュアップのために認定経営革新等支援機関を含む外部支援者の助言を受けることは差し支えないが、必ず申請者自身で作成すること。作成自体を申請者以外が行うことは認められず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消となる、と。
つまり丸投げはできません。 助言を受けることと、代わりに書いてもらうことは別です。
「事業計画を作成します」と謳うサービスを利用する場合、実際の作成主体がどちらになるかを確認してください。また、事業計画作成支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間は申告が必要とされています。
当社は補助金の申請代行を行いません。要件の整理やツール選定の支援に留めています。AI導入が目的の場合はAI導入に使える補助金もご覧ください。
採択されても満額とは限らない
もう一つの注意点です。中小企業庁は採択=満額交付ではないと明記しています。
採択後の交付申請で経費の内容が精査され、補助対象として適切でないと判断された場合は減額または対象外になります。
資金計画は、満額交付を前提に組まないでください。
5年間の報告義務がある
補助事業の終了後も、5年間にわたって事業化状況の報告が必要です。
申請時に立てた計画の達成状況を毎年報告することになります。事務負担が続く点を織り込んでおいてください。
スケジュールの確認方法
★日程については、公式ページ内でも記載が分かれています。
中小企業庁のお知らせページでは、ページタイトルに「申請受付期間:8/31〜9/30」と記載されています。一方、本文の公募スケジュール欄は「申請受付:2026年9月30日/応募締切:2026年10月30日18時」です。
同じページの中で、日程が一致していません。
同ページの最終更新は2026年8月12日ですが、どちらが最新の情報かはページ上から判断できません。
必ず公募要領のPDFで確認してください。 解説記事によっても日程の記載が分かれており、記事だけを見て判断すると締切を誤ります。
準備は日程が確定する前から始められる
日程が不確かでも、着手できることがあります。
- GビズIDプライムアカウントの取得(発行に一定期間を要する)
- 直近2期分の決算書の準備
- 賃上げ計画の検討(実現可能な水準か)
- 自社がどの枠に当てはまるかの整理
1が最も時間がかかります。 未取得なら、日程の確認より先に着手してください。
当社も中小企業として、制度要件の確認は投資検討の前提にしています。
参考
以下はすべて2026年9月1日に確認しました。制度は改定される場合があります。
- 中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開」(ミラサポplus、2026年6月30日公開/2026年8月12日最終更新)
- 同ページ掲載の第1回公募要領および「新市場・高付加価値事業の考え方」
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